南極氷河観測情報

南極ドームふじ近傍での氷床・基盤探査および浅層アイスコア掘削計画(JARE60)
目的: アイスコア研究の国際組織であるIPICS(International Partnership in Ice Core Sciences)では,最も重要かつ挑戦的な課題として「最古の氷床コア」の掘削をあげており,各国が南極内陸の氷床・基盤探査を開始している.ドームふじ基地での二度の掘削実績をもつ日本として,ドームふじ近傍において古い氷が存在する地点の同定に向けた活動を行うことを目的とする.
調査地域: 南極東ドローニングモードランドにあるドームふじ基地の周辺地域
メンバー: 川村賢二,藤田秀二,山田恭平(国立極地研究所),栗田直幸(名古屋大学),津滝俊(東京大学)
期間: 2018年11月10日~2019年1年23日
成果: JARE60の調査は,ノルウェーおよび米国との国際共同調査として実施された.ドームふじ基地南方地域において,基盤地形と氷床内部層を,雪上車に搭載した極地研および米国カンサス大学,アラバマ大学製のレーダーを用いて探査した.探査測線の総距離は約2,780 kmであった.また,当該地域の堆積環境を知るために浅層コア掘削とフィルンエア採取を1箇所で実施した.取得されたコアの長さは142 mであった.今後,取得した資料・データの解析を進め,今回対象とした地域の中から,古い氷が存在する地点の同定を進める.
問い合わせ先: 国立極地研究所 川村賢二 kawamura@nipr.ac.jp
現地カウンターパート: 第60次南極地域観測隊
南極ラングホブデ氷河における熱水掘削観測(JARE59)
目的: 南極氷床溢流氷河の棚氷下および氷河内部と底面環境の観測
調査地域: 南極・昭和基地周辺・ラングホブデ氷河
メンバー: 杉山慎,箕輪昌紘,伊藤優人,山根志織(北海道大学)
期間: 2017年12月20日~2018年2月6日
成果: 東南極,リュッツォホルム湾に位置するラングホブデ氷河にて,熱水掘削による全層掘削と各種の観測を実施した.氷河末端部の浮氷地域4か所にて全層掘削に成功し,氷厚・海底標高の測定,棚氷下の海水特性と流速の測定,海水と海底堆積物のサンプリングを行った.また掘削孔を用いて係留系・サーミスタチェーン・水圧計を設置し,棚氷下と氷河内部環境の継続的な測定を開始した.この他,氷レーダーによる氷厚測定,GPSによる流動・標高測定,地震波観測,気象観測などを実施した.
問い合わせ先: 北海道大学低温科学研究所 杉山慎 sugishin@lowtem.hokudai.ac.jp
現地カウンターパート: なし
南極ドームふじ近傍での氷床・基盤探査および浅層アイスコア掘削計画(JARE59)
目的: アイスコア研究の国際組織であるIPICS(International Partnership in Ice Core Sciences)では,最も重要かつ挑戦的な課題として「最古の氷床コア」の掘削をあげており,各国が南極内陸の氷床・基盤探査を開始している.ドームふじ基地での二度の掘削実績をもつ日本として,ドームふじ近傍において古い氷が存在する地点の同定に向けた活動を行うことを目的とする.
調査地域: 南極東ドローニングモードランドにあるドームふじ基地の周辺3地域
メンバー: 川村賢二,藤田秀二,中澤文男,大藪幾美(国立極地研究所),杉浦幸之助(富山大学),大野浩(北見工業大学)
期間: 2017年11月8日~2018年1月24日
成果: JARE59では,ドームふじ基地周辺の3地域において,基盤地形と氷床内部層を,雪上車搭載のレーダーにより探査した.探査測線の総距離は約2,990 kmであった.また,各地域の堆積環境を知るために浅層コア掘削を3地点で実施した.取得されたコアの長さは,各々151.9 m,41.0 m,43.3 mであった.今後,取得した試料・データの解析を進め,今回対象とした3地域のうち1~2箇所を有力エリアとして,続くJARE60での観測においてさらに探査を進める.その他,ドームふじ基地に保管されていた第2期ドームふじ深層コアを国内へ持ち帰るための輸送を実施した.
問い合わせ先: 国立極地研究所 川村賢二 kawamura@nipr.ac.jp
現地カウンターパート: 第59次南極地域観測隊
南極半島リビングストン島における氷河観測と雪氷生物調査
目的: 南極半島における氷河底面環境,氷山崩壊プロセス,および雪氷生態系の解明.
調査地域: 南極半島リビングストン島ジョンソン 氷河を中心とするスペイン基地周辺
メンバー: 植竹 淳(国立極地研究所),箕輪昌紘(北海道大学)
期間: 2016年1月20日〜2月22日
成果: 南極半島リビングストン島のスペイン基地を拠点として, 昨年掘削孔に設置した氷温センサーと水圧センサーのデータを回収した. 氷河上では流動速度の測定,雪氷微生物の採取,ドローンによる航空写真撮影を行った. また,氷河前縁の海洋では水深, 水塊構造, および氷山崩壊に伴う水面波の観測を行った.
問い合わせ先: 国立極地研究所 新領域融合センター新領域融合プロジェクト 植竹 淳  〒190-8518 東京都立川市緑町10-3  E-mail: juetake@nipr.ac.jp
現地カウンターパート: Francisco Navarro    Department of Applied Mathematics,School  of Telecommunication Engineering,  Technical University of Madrid  Av. Complutense, 30, 28040 Madrid, Spain  Tel. +34 914533565, Fax +34 913367289  E-mail: francisco.navarro@upm.es
南極半島リビングストン島における氷河熱水掘削と雪氷生物調査
目的: 南極半島における氷河底面環境および雪氷生態系の解明.
調査地域: 南極半島リビングストン島ジョンソン氷河を中心とするスペイン基地周辺
メンバー: 杉山慎,澤柿教伸(北海道大学),瀬川高弘(国立極地研究所),大沼友貴彦(千葉大学),Francisco Navarro(マドリッド工科大学),Evgeny Vasilenko(ウズベキスタン産業研究所)
期間: 2014年12月29日〜2015年2月15日
成果: 南極半島リビングストン島のスペイン基地を拠点として,マドリッド工科大学と共同で氷河掘削と観測を実施した.ジョンソン氷河とハード氷河では5本の全層掘削に成功し,底面水圧と氷温を測定するセンサを設置した.また氷河底面での生物探査を目的に,掘削孔を使った底面堆積物サンプリングと採水を行った.氷河上では流動速度,質量収支,氷厚測定などを実施した他,雪氷生物に関するサンプリングを実施した.
問い合わせ先: 北海道大学低温科学研究所 杉山慎 〒060-0819 札幌市北区北19条西8丁目 Tel: 011-706-7441 E-mail: sugishin (at) lowtem.hokudai.ac.jp
現地カウンターパート: Francisco Navarro Department of Applied Mathematics, School of Telecommunication Engineering, Technical University of Madrid Av. Complutense, 30, 28040 Madrid, Spain Tel. +34 914533565, Fax +34 913367289 E-mail: francisco.navarro@upm.es
ラングホブデ氷河における底面環境の観測
目的: 南極氷床沿岸部にて溢流氷河を全層掘削し,その底面環境が氷河流動に果たす役割,氷床と海洋との相互作用を明らかにする.
調査地域: 東南極ラングホブデ氷河
メンバー: 杉山 慎・福田武博・澤柿教伸(北大),樋口和生(極地研)
期間: 2011年12月28日~2012年2月9日
成果: ラングホブデ氷河の棚氷上2か所において,深さ約400m,合計4本の全層掘削を行った.掘削孔を用いて,底面水圧,氷温度,棚氷下の海洋観測などを実施したほか,流動速度,氷厚探査,気象観測を実施した.以上の観測から,底面水圧と氷河流動速度の関係,棚氷下海水の物理特性,氷厚分布などに関するデータを得た.
問い合わせ先: 杉山 慎 北海道大学低温科学研究所 〒060-0819 札幌市北区北19条西8丁目 Tel: 011-706-7441 E-mail: sugishin (at) lowtem.hokudai.ac.jp
現地カウンターパート:

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