会長挨拶
日本雪氷学会長 東 信彦
2023年6月27日
2023-2024年度理事会の発足
2023年5月22日の第1回理事会によって,2023-2024年度の役員が決まりました.役員はほぼ半数が新規役員となり,小生が会長に選任されましたのでどうぞよろしくお願い申し上げます.
コロナ禍も一段落し、また元の活動を取り戻しつつありますが、このコロナ禍の3年ほどの間に社会のデジタル化は一気に普及し、オンラインでの教育や会合は当たり前になりました。さらに生成AIをどのように利用するかが今の社会の課題となっています。当学会もこれらの技術革新をうまく取り入れ学会の発展につなげて行きたいと思っていますが、2年ほど前に現役を引退した小生にとっては最近の技術革新についていくことはなかなか大変で、SDGsの精神に則って誰一人取り残さない優しい学会であって欲しいと思います。雪氷学会は雪と氷に関わる全ての分野の人々が情報交換し、文化を継承発展させる稀有な学会であり続けたいと思います。
皆様におかれましては、何卒忌憚のないご意見をお寄せいただきますとともに、ご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
学会の3つの役目
学会は、各研究機関と同じように、研究面、教育面そして社会貢献の使命を持っています。とくに日本雪氷学会が公益社団法人となって以来、より一層「公益性」つまり社会貢献が求められています。学会活動がその3つの役割のどこに分類されるかを図1に表してみました。
「研究」は学会の基幹の活動です。学会誌「雪氷」および英文誌BGRは研究成果の発表の場であり、査読者とのやりとりで研究の質を高めています。また、毎年、日本雪工学会と連携して行われる雪氷研究大会では、全国の研究者が一堂に会して研究の進歩が図られています。また各支部でも活発に研究発表会や発表論文集発行が行われています。
「社会貢献」としては、雪氷防災研究の研究自体が社会のニーズに応えていますが、一般の方や子供達向けには、雪氷研究大会時に「雪氷楽会」や公開講演会が行われ、各支部でもアウトリーチ活動が盛んです。また雪崩や吹雪災害に対する突発的雪氷災害調査チーム結成等が行われています。
「教育」の面では、一般の方への雪氷知識普及や雪氷計測技術教育の活動や、雪崩対策技術研修会、積雪観測講習会が行われています。また若手育成を目的として、雪氷研究大会での学生優秀発表者表彰が行われ。今年は新「井上基金」が発足します。
会員の拡充
どこの学会もそうですが、日本の人口減に伴う学会員減少が悩みの種です。少しでも魅力ある学会にするよう各種活動のご協力をお願いします。
幸い、雪氷学会は一般の人も雪氷現象に興味を持ち、雪氷災害対応、地球科学まで含む幅広い分野に渡っており、その利点を利用して会員数の拡大にご尽力下さるようお願いします。
現在、以下のような本部体制と、支部・分科会を中心に活動を行っています。
- 本部体制
- 支部北海道支部, 東北支部, 北信越支部, 関東・中部・西日本支部
- 分科会氷河分科会, 極地雪氷分科会 , 凍土分科会, 雪崩分科会, 雪氷物性分科会, 衛星観測分科会, 雪氷工学分科会, 雪氷化学分科会 , 気象水文分科会, 吹雪分科会
- 井上フィールド科学研究基金
定期刊行物
- 『雪氷』 年6回刊・会誌
- Bulletin of Glaciological Research オンライン英文論文誌
雪氷研究大会・全国大会
- 雪氷研究大会講演要旨集 | 雪氷学会全国大会予稿集 | (J-STAGE 2004年度より)
情報公開
- 定款・細則・役員名簿
- 総会資料 (事業報告・決算、事業計画・予算 等)
- 補助金等報告書・支出明細書
- 著作権規定