
会長挨拶
日本雪氷学会長 西村 浩一
2021年6月11日
2021-2022年度理事会の発足
2021年5月26日に開催されました第1回理事会におきまして、2021-2022年度の日本雪氷学会の役員の顔ぶれが決定し、私が引き続き会長を拝命することとなりました。どうぞよろしくお願い申し上げます。
昨年初めより世界的に拡大した新型コロナウィルス感染症は、ようやく最近になって国内でもワクチン接種が始まりました。しかしいまだに収束の見通しがたたないことに加え、新たな変異種の発生が報告されるなどの状況を踏まえ,昨年に続き本年9月の研究大会もオンライン実施という苦渋の決断に至りました。初めてのオンライン大会となった前回は、通常の大会より参加者の数はやや減少はいたしましたが、関係者の方々の不断の努力と学会員の皆様の多大なご協力のもと、大成功を収めたことは皆様ご存知の通りです。今回の実行委員の方々も昨年の実績を踏まえて、多種多彩の工夫を企画いたしておりますので、積極的にご参加いただきますようよろしくお願いいたします。
コロナ禍は、普段の生活に加えて研究交流の推進や野外調査の実施など皆さんの活動にも多大な影響を与えているものとお察しいたします。しかし「伏すこと久きは飛ぶこと必ず高し」とも申します。今の時期に十分な準備を進めるとともに活力を蓄積し、コロナ後の大きな飛躍につなげていただきますようお願いする次第です。
我々役員も、これまでの学会及び理事会の活動を総括し、問題点は逐一是正の上で、今後の進むべき方向を積極的に模索していきたいと考えております。皆様におかれましても、何卒忌憚のないご意見をお寄せいただきますとともに、学会運営によろしくご協力をお願い申し上げます。
学会の3つの役目
学会は、各研究機関と同じように、研究面、教育面そして社会貢献の使命を持っています。とくに日本雪氷学会が公益社団法人となって以来、より一層「公益性」つまり社会貢献が求められています。学会活動がその3つの役割のどこに分類されるかを図1に表してみました。

図1 日本雪氷学会の3つの役割
「研究」は学会の基幹の活動です。学会誌「雪氷」および英文誌BGRは研究成果の発表の場であり、査読者とのやりとりで研究の質を高めています。また、毎年、日本雪工学会と連携して行われる雪氷研究大会では、全国の研究者が一堂に会して研究の進歩が図られています。また各支部でも活発に研究発表会や発表論文集発行が行われています。
「社会貢献」としては、雪氷防災研究の研究自体が社会のニーズに応えていますが、一般の方や子供達向けには、雪氷研究大会時に「雪氷楽会」や公開講演会が行われ、各支部でもアウトリーチ活動が盛んです。また雪崩や吹雪災害に対する突発的雪氷災害調査チーム結成等が行われています。
「教育」の面では、一般の方への雪氷知識普及や雪氷計測技術教育の活動や、雪崩対策技術研修会、積雪観測講習会が行われています。また若手育成を目的として、雪氷研究大会での学生優秀発表者表彰が行われ。今年は新「井上基金」が発足します。
会員の拡充
どこの学会もそうですが、日本の人口減に伴う学会員現象が悩みの種です。少しでも魅力ある学会にするよう各種活動のご協力をお願いします。
幸い、雪氷学会は一般の人も雪氷現象に興味を持ち、雪氷災害対応、地球科学まで含む幅広い分野に渡っており、その利点を利用して会員数の拡大にご尽力下さるようお願いします。
現在、以下のような本部体制と、支部・分科会を中心に活動を行っています。
- 本部体制
- 支部北海道支部, 東北支部, 北信越支部, 関東・中部・西日本支部
- 分科会氷河情報センター 極地雪氷分科会 , 凍土分科会, 雪崩分科会, 雪氷物性分科会, 衛星観測分科会, 雪氷工学分科会, 雪氷化学分科会 , 気象水文分科会, 吹雪分科会
- 井上フィールド科学研究基金
定期刊行物
- 『雪氷』 年6回刊・会誌
- Bulletin of Glaciological Research オンライン英文論文誌
雪氷研究大会・全国大会
- 雪氷研究大会講演要旨集 | 雪氷学会全国大会予稿集 | (J-STAGE 2004年度より)
情報公開
- 定款・細則・役員名簿
- 総会資料 (事業報告・決算、事業計画・予算 等)
- 補助金等報告書・支出明細書
- 著作権規定