掲載分野/論文の種類/論文査読・編集プロセス/編集委員会/発刊の趣旨
Bulletin of Glaciological Research (BGR) は日本雪氷学会から刊行される英文の学術雑誌で,これまで世界の30カ国の主要な研究機関に配布されてきました.より多くの人にBGRに掲載された論文を 読んでもらうため,2010年28号よりこれまでの冊子体印刷出版からインターネット上で公開するオープンアクセス電子ジャーナルへと移行しました.これにより受理された論文は迅速にウェブサイト上で公開されます.また読者は論文の閲読,ダウンロード,コピー等,著作権法の範囲内で使用が許可され,現在では50か国で読まれています.このたびBGR誌は,Emerging Source Citation Index(ESCI)に収載されました.これによりBGR誌に掲載された論文は,Web of Science上で検索できることになりました.
掲載分野
■雪崩 ■吹雪/地吹雪 ■雪氷に関連した気候 ■宇宙雪氷 ■雪および氷の結晶 ■氷河 ■着氷雪 ■アイスコア解析 ■氷床ダイナミックス/モデル ■雪氷水文気象 ■凍土 ■雪および氷の物理・化学 ■海氷 ■積雪・降雪・融雪 ■雪氷技術 ■雪氷災害 ■その他雪氷に関連したこと |
BGRの論文の種類
原稿はArticleとReportとReviewのカテゴリーに分けられる.
Article:未発表の研究結果に考察,結論を加えた原著論文
Report:調査・研究結果などの速報性を重視した研究報告
Review:ある分野のこれまでの研究成果の分析や,将来展望をまとめた総説
これらはすべて複数の校閲者によって査読される.
BGRの論文査読・編集プロセスについて
1.投稿原稿が編集委員会に届いた場合は編集委員長から受領の連絡がメールで著者に通知される.編集委員長は投稿論文の編集担当者を決め論文が転送される. 2.投稿原稿は内容がBGRに相応しいものか編集委員長および編集担当者によって審査される.内容が適しないもの,投稿規程に沿っていないもの,英文が水準に満たないものは直ちに著者に戻される. 3.予備審査を通過した原稿は受付られ,編集担当者は投稿論文の専門分野の校閲者を選び,査読を依頼する. 4.編集担当者は査読結果を考慮して,その論文の掲載可否,要改稿を著者に通知する. 5.要改稿で著者に戻された論文は3ヶ月以内にその改稿原稿を編集担当者に提出しなければならない.3ヶ月以上たった場合は新規の投稿として受付処理される. 6.編集委員長は最終的にその論文の受理を決定し,著者に文書で通知する. |
編集委員会
2024年度
編集委員長 | 杉浦幸之助*(委員長) |
編集委員 | 立花義裕 (PEPS編集委員) 澤柿教伸 竹谷敏 谷川朋範 永塚尚子 中村和樹 縫村崇行 藤田秀二 堀雅裕 本吉弘岐 渡辺晋生 渡辺幸一 *理事 |
BGRの発刊趣旨(2000年4月)
昨今の雪氷学の発展にはめざましいものがある。研究開発が活発に行われてきた 防災科学あるいは物質科学としての側面に加えて、最近の地球環境問題の顕在化にともない、 地球科学的側面が大きくクローズアップされてきたこともあって、雪氷学会の活動はますます多岐にわたり、 全国大会の盛況ぶりも非常に喜ばしい。 しかしながら、会誌「雪氷」への投稿論文は多いとは 言い難い。その理由の一つは、「雪氷」は英語で書かれた論文を受け付けるとはいうものの、 英語論文にとってのサーキュレーションは極端に悪いために、英語で論文を書いた会員はそのほとんどが「 雪氷」以外の雑誌に投稿してきたためである。このことは、世界に誇りうる成果であればあるほど、 それが雪氷学会によってではなく他の団体または出版社によって刊行されるという結果を招いてきた。 このため、雪氷学会で英文誌を刊行してほしいという要望が会員の中にあがっていた。
一方、氷河情報センターでは、「氷河に関連する情報や調査及び研究の論文・報告を掲載する英文誌」として「Bulletin of Glacier Research」を1987年以来12号にわたって毎年1号以上のペースで出版してきた。その間に査読および編集の制度や手順を確立するとともに、諸 外国の研究者にも学術論文誌として一定の評価を受けるに至ってきた。
そこで雪氷学会では、氷河に関連する情報や調査及び研究の論文・報告を掲載する英文誌」「Bulletin of Glacier Research」を廃止し、かわりに「雪氷に関連する研究や調査をまとめた論文・報告を掲載する英文誌」「Bulletin of Glaciological Research」へと2000年発行の第17巻より衣替えしたものである。 雪氷学会の英文誌として、会員各位の活発な投稿を期待するものである。