2024年度 地域講演会
小樽市:北海道の交通と雪に関する寒冷技術
2024年度地域講演会の開催報告
1.開催概要
日本雪氷学会北海道支部では,雪氷に関する啓蒙普及活動を目的として地域講演会を札幌以外の北海道各地において毎年開催している.2024年度の地域講演会は小樽市において開催された.
理研興業株式会社 代表取締役副社長 柴尾幸弘 氏を講師に迎え,防雪柵の役割,種類などを中心とした交通に係る寒冷技術をテーマに講演が行われた.また,吹雪に対する防雪柵の効果を可視化する風洞実験の様子や,実物の防雪柵などの見学も行った.
開催概要は以下のとおりである.
・講演会の概要
講演会名:「北海道の交通と雪に関する寒冷技術」
柴尾幸弘(理研興業株式会社 代表取締役副社長)
日時:2024年10月26日(土)14:00~15:30
会場:理研興業株式会社 本社
主催:日本雪氷学会北海道支部
共催:小樽市総合博物館
後援:小樽市
参加者:24名(会場20名,ZOOM参加4名)
2. 講演の模様
理研興業株式会社 代表取締役副社長 柴尾幸弘氏が北海道の交通と雪に関する寒冷技術と題し講演を行い,小樽市内外から24名の参加があった.初めに雪による様々な障害が紹介された.特に道路交通を確保するためには吹雪障害の対策が重要課題と示され,交通障害の調査などが解説された(図1).実際の対策として防雪柵の歴史や種類と特徴,また,光らせることで視認性が高くなったワイヤーロープや蓄光塗料など最新の技術が実物を交えて紹介された.
続いて風洞実験室に移動して実際に計画が進んでいる海外での防雪柵の風洞実験を見学した(図2).実験は3種類の防雪柵の模型に雪に見立てた白い粒子を強風で吹き付け,吹雪での状況を再現したもので,形状の異なる防雪柵の種類により雪の流れや道路の吹き溜まり方の違いが可視化され大変理解しやすいものであった.
最後に屋外にある実際の太陽光パネル付き防雪柵を見学した.尚,今回はZOOMによる配信も実施した.最後に,開催に当たりご協力頂きました皆様に感謝を申し上げます.
図1 柴尾副社長による講演の様子
図2 防雪柵の風洞実験の様子
(北海道立オホーツク流氷科学センター 桑原尚司)