Japanese Society of Snow and Ice

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2009年度 地域講演会

— カテゴリ:

帯広市 ―凍土・流氷・積雪が語る北海道の気候変動―

2009年度 地域講演会

(社)日本雪氷学会北海道支部2009年度 地域講演会

テーマ:「雪と氷のサイエンス 〜凍土・流氷・積雪が語る北海道の気候変動~」(ポスターはこちら

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主催:(社)日本雪氷学会・北海道支部
共催:十勝雪氷エネルギー利用促進協議会
後援:帯広市教育委員会、帯広畜産大学、日本気象協会北海道支社帯広支店、NHK帯広放送局、十勝毎日新聞社、北海道新聞社

日時:2009年12月19日(土)13:30-16:30
場所:とかちプラザ1Fd大集会室
参加者:52名

 

■プログラム

・講演

-自然積雪下の土壌凍結・融解の年次変動 <温暖化の影響は?>
     帯広畜産大学 地域環境学研究部門 土谷富士夫
-オホーツク海・北海道沿岸の気温と流氷勢力の長期変動
     北海道立オホーツク流氷科学センター 青田昌秋
-変わりゆく北海道の冬 <気象データからの考察>
     北海道大学大学院環境科学院 中村一樹
雪氷学会北海道支部では、一般市民にむけた科学技術の振興と啓蒙活動を目的として、北海道各地における講演会を開催しています。2009年度は帯広市において、地域講演会「雪と氷のサイエンス ―凍土・流氷・積雪が語る北海道の気候変動―」を開催しました。開催日となった12月19日は、帯広において連日マイナス20℃以下が記録される寒波到来の真っ直中。時を得たテーマに50名を超える参加者が集まりました。
最初の講演者は帯広畜産大学の土谷富士夫氏。長年にわたって継続されている土壌凍結観測をもとに、凍土形成における積雪の重要性、近年の気候変化がわかりやすく説明され、凍土を積極的に利用した施設も紹介されました。続いて道立オホーツク流氷科学センターの青田昌秋氏が、100年を超える流氷観測の結果を紹介。過去100年における気温の上昇と流氷勢力の減少が示されました。迫力ある写真を交えたユニークな講演に、会場からは笑い声がこぼれました。最後の講演は北海道大学の中村一樹氏による「変わりゆく北海道の冬」。長年北海道の気象予報に携わってきた同氏はその経験と知識に基づいて、気温や降雪量の近年の変化を説得力のあるデータで解説しました。

・パネルディスカッション

-コーディネーター:武田一夫
-パネリスト:土谷富士夫、青田昌秋、中村一樹
引き続き行われたパネルディスカッションでは、帯広畜産大学武田一夫氏の司会で講師3名によるカジュアルな討論が行われました。寒地土木研究所の松澤勝からは雪氷道路災害と気候変動との関わりも紹介され、より生活に密着した話題に参加者が興味を新たにしている様子がうかがわれました。本講演会を開催するにあたり、共催、後援を賜った十勝雪氷エネルギー利用促進協議会、帯広市教育委員会、帯広畜産大学、日本気象協会北海道支社帯広支店、NHK帯広放送局、十勝毎日新聞社、北海道新聞社の各位に感謝申し上げます
(北海道支部理事 杉山慎 記)

■講演要旨


-自然積雪下の土壌凍結・融解の年次変動 <温暖化の影響は?> 

帯広畜産大学 地域環境学研究部門 土谷富士夫
十勝地方をはじめとする寒冷地域では冬期間に土壌が凍結し、そして春期に融解する。このような季節的な土壌凍結現象は、その地域や年次の積雪分布と冬の寒さに大きく影響され、その凍結深さは年次によって大きく変動する。長年の観測から、積雪下の最大凍結深さを予測することが可能となり、そして凍結消失日も推定できるようになった。これは農作業の開始時期や甜菜の移植日を決定する上で有用である。気象変動に伴う最近の積雪や凍結の傾向を明らかにするとともに、凍土の利点や活用法についても紹介する。

-オホーツク海・北海道沿岸の気温と流氷勢力の長期変動

北海道立オホーツク流氷科学センター 青田昌秋
オホーツク海の最南端に位置する網走沿岸の110余年にわたる目視流氷観測資料に基づいてオホーツク海・北海道沿岸の流氷勢力の長期的変動について考察した。その結果、この間に、年平均気温は約0.9 ℃上昇し、流氷勢力(流氷期間中の日々の海氷の密接度の総和)は ほぼ半減していることが明らかとなっ た。

-変わりゆく北海道の冬 <気象データからの考察> 

北海道大学大学院環境科学院 中村一樹
帯広の気温は過去100年で1.82℃、網走の気温は1.08℃、札幌の気温は2.3 7℃上昇しており、全道各地点で気温は上昇傾向です。特に目立つのが、冬の最低気温の上昇です。例えば、最低気温が0℃未満の冬日日数は、全道的に減少しています。また、霜の初日は遅くなり、霜終日は早くなる傾向があります。 札幌などの大都市ではヒートアイランドの影響もありますが、北海道全域で地 球温暖化の影響を受けていると言えます。このように北海道の冬は暖かくなっ ています。皆さんといっしょに生活の中で感じている冬の変化を気象データから考えてみたいと思います。 
 松澤勝氏による開会のあいさつ
松澤勝氏による開会のあいさつ

土谷富士夫氏による講演
土谷富士夫氏による講演

講演に聴き入る参加者
講演に聴き入る参加者

青田昌秋氏による講演
青田昌秋氏による講演

パネルディスカッションをリードする武田一夫氏
パネルディスカッションをリードする武田一夫氏

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3名のパネリスト

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質問に答える中村一樹氏

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十勝毎日新聞の掲載記事(2009年12月20日)
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