WRFセットアップマニュアル

4.手順の詳細(オペレーション)

このセクションの内容

4.1 Login

Linuxを起動したらuserアカウントでLoginします。

4.2 端末操作

端末で操作します。Linuxのアプリケーションから端末を選んで、端末ウィンドウを開いてください。

4.3 WRFをCompileするために必要な環境のinstall

(1) root権限での操作を指定

> su root

rootのパスワードを要求されるので、あらかじめ設定してあるパスワードを入力してください。

(2) 環境のinstall

コマンドを実行するとサーバにアクセスし、環境がinstallされます。容量が大きいファイルのときは、install続行の可否を問われますので、yを押して、Enterしてinstallを続行してください。

> apt-get install tcsh
> apt-get install csh > apt-get install m4
> apt-get install libx11-dev > apt-get install libxt-dev
> apt-get install libxaw7-dev
> apt-get install libnetpbm10-dev

(3) root 環境からの離脱

> exit

root環境から離脱してuser環境に戻ります。必ずこのexitコマンドは実行してください。user環境で行う操作をroot環境で行うと、本書と実際の操作と異なるDirectoryとなってしまいます。

4.4 netCDFのinstall

(1) ダウンロード

netCDFを次のURLからダウンロードしてください。操作はGUIから行います。
http://www.unidata.ucar.edu/downloads/netcdf/


図2 netCDFのホームページ

図2中ほどに目指すページがあります。図2ではポインタを合わせたので赤い文字になっています。ここをクリックすると図3のページが開きます。


図3 netCDFのホームページ

図3で赤い文字で表示されているLinkをクリックするとダウンロードが始まります。Ubuntuではダウンロードを指定すると、図4に示すようにダウンロードマネージャが起動してダウンロードdirectoryに保存されます。保存されるファイルはnetCDF-3.6.3.tar.gzです。ファイルは圧縮されています。


図4 ダウンロードmanager

(2) 解凍

端末ウィンドウを立ち上げます。

> cd ダウンロード操作をダウンロード directory に移動
> su rootroot権限を発動
> mv netCDF-3.6.3.tar.gz /usr/localダウンロードしたファイルをワークに移動
> cd /usr/local操作をワークに移動
> tar -zxvf netCDF-3.6.3.tar.gz圧縮ファイルを解凍
> cd netCDF-3.6.3解凍して出来た directory に移動
> ./configure
> make
> make install

ここで図5に示すいくつかのエラーが出ますが、WRF作業の問題にはなりませんでした。


図5 netCDFをmakeしたときに出力されたエラー

> exitroot権限から離脱
> cduserのdirectroyに移動
> ncdump

ここで図6のようにncdumpの使い方が表示されればnetCDFのsetは完了です。表示されないときは本項目(2)に戻ってもう一度操作してください。


図6 ncdumpの使い方が表示された様子

4.5 WRFとWPSのinstall

(1) ダウンロード

WRFとWPSを次のURLからダウンロードしてください。操作はGUIから行います。
http://www.mmm.ucar.edu/wrf/users/download/get_source.html


図7 WRFホームページ

初めてダウンロードするときは登録を求められます。登録して次の3つの圧縮ファイルをダウンロードしてください。

  1. WRFV3.1.1.TAR.gz
  2. WPSV3.1.1.TAR.gz
  3. geog.tar.gz

端末ウィンドウを開いて次の操作をしてください。

> mkdir WRFuserのhome directoryにWRF directoryを作成
> cd WRFWRF directoryに移動
> mv ../ダウンロード/WRFV3.1.1.TAR.gz ./ファイルの移動
> mv ../ダウンロード/WPSV3.1.1.TAR.gz . /ファイルの移動
> mv ../ダウンロード/geog.tar.gz ./ファイルの移動
> tar -zxvf WPSV3.1.1.TAR.gz解凍
> tar -zxvf WRFV3.1.1.TAR.gz解凍
> tar -zxvf geog.tar.gz解凍

これで作成したWRF directoryにダウンロードしたファイルを移動させ、圧縮ファイルを解凍しました。

(2) WRFのsetup

> cd WRFV3WRFV3 directoryに移動

configureを編集します。geditもしくはviでconfigureを開きます。

viの場合

> vi configureviでconfigureを開く
:set nuviの操作 行番号を表示

148行目を編集します。/usr/local/netCDF/usr/localに変更します。viではXキィで消去できます。WRFはnetCDFを利用しているため、netCDFへのpassを設定しなければなりません。netCDFをどこにインストールしたかによりここは変えてください。この作例では/usr/localに設定したので、ここで編集します。

:wq!viの操作 保存して終了

端末に戻って操作を続けます。

> ./configureconfigureを実行します。


図8 WRFのオプション画面

図8に示すようにオプションの入力待ちになります。講習会用PCでは1を選択しました。パソコンにインストールされているコンパイラを選択します。講習会用PCではGfortranおよびgccを使用していたので1を選択しました。

> 1


図9 WRFオプション画面

図9のようにもう一度選択画面が現れます。先ほどと同じように講習会用PCでは1を選択しました。

> 1


図10 エラー表示(黒く反転しているところがエラー)

エラーが出るので、PCの設定を操作します。

> export WRFIO_NCD_LARGE_FILE_SUPPORT=1

エラーを修正したので、もう一度configureを実行します。

> ./configure
> 1先ほどと同じように入力します。
> 1
> ./compile em_real >& compile.log

compileします。この操作は30分程度の時間がかかります。その間、PCを放置できます。

> ls ./runrun directoryでファイルを確認

図11に示すようにrun directoryにreal.exeとwrf.exeが作成されていれば成功です。


図11 runにreal.exeとwrf.exeがあることを確認

(3) WPSのsetup

> cd ../WPSWPS directoryに移動

configureを編集します。geditもしくはviでconfigureを開きます。

viの場合

> vi configureviでconfigureを開く
:set nuviの操作 行番号を表示

7行目を編集します。/usr/local/netCDF/usr/localに変更します。viではXキィで消去できます。WRFはnetCDFを利用しているため、netCDFへのpassを設定しなければなりません。netCDFをどこにインストールしたかによりここは変えてください。この作例では/usr/local/に設定したので、ここで編集します。

:wq!viの操作 保存して終了

端末に戻って操作を続けます。

> ./configure


図12 WPSのオプション画面

図12のようにオプションの入力待ちになります。講習会用PCでは13を選択しました。

※ パソコンにインストールされているコンパイラを選択します。講習会用PCではGfortranおよびgccを使用。なお、ここで選択するコンパイラはWRFインストール時と同じコンパイラであることが望ましい。)

> 1313を選択

compileを実行し、exeファイルを作成します。

> ./compile >& compile.logcompileを実行 少し時間がかかる
> lsファイルの確認


図13 WPS directoryの内容

図13にあるように、 geogrid.exe ungrib.exe metgrid.exe が作成されていれば成功です。

4.6 Ncviewのsetup

WRFの結果を図表示するNcviewをsetupします。次のURLから圧縮ファイルをダウンロードしてください。
http://meteora.ucsd.edu/~pierce/ncview_home_page.html


図14 Ncviewホームページ

ncview-1.93g.tar.gzをダウンロードします。これまでのダウンロードと同様にダウンロードマネージャを操作して、圧縮ファイルをダウンロード directoryに保存します。

端末を開いて次の操作をしてください。

> cd ダウンロードダウンロードdirectoryに移動
> su rootroot権限に移行

rootのパスワードを求められるので、入力してください。

> mkdir /usr/local/ncviewdirectoryを作成
> mv ncview-1.93g.tar.gz /usr/local/ncview/ダウンロードしたファイルを移動
> cd /usr/local/ncviewncview directoryに移動
> tar -zxvf ncview-1.93g.tar.gz圧縮ファイルを解凍
> cd ncview-1.93gncview-1.93g directoryに移動
> ./configure
> make
> make install
> exitroot権限から離脱
> cdhome directoryに移動

動作を確認します。

> ncview

使い方が表示されれば無事終了です。


図15 Ncviewの操作説明画面