シミュレーション解析講演会
2010年8月24日神奈川工科大学にて、各界を代表する識者によるシミュレーション活用事例を紹介する講演会が開催されました。
- 【講演会概要】
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- 日時 : 2010年8月24日
- 場所 : 神奈川工科大学 情報学部棟(神奈川県厚木市)
- 内容 :
- 「航空機開発におけるシミュレーション」
吉田 憲司 氏 (JAXA・東京大学) - 「日本における海塩輸送シミュレーションの現状」
平口 博丸 氏 (電力中央研究所) - 「ヨーロッパにおける気象シミュレーションの現状(WRFによる気象解析と着氷予想)」
Bjorn Nygaard 氏 (ノルウェー気象庁)
- 「航空機開発におけるシミュレーション」
- 主催 : 日本雪氷学会 雪氷工学分科会
- 後援 : 神奈川工科大学、株式会社 工学気象研究所
開催にあたり
コンピュータの発達により物理現象の再現を数値計算によっておこなうことは日常的になってきました。一昔前ならば自らがコードを記述することが必要でしたが、現在では多くの市販やフリーのソフトウェアを利用できる環境となりました。とは言うものの、こうしたソフトウェアを利用する際には高度な技術や経験を要することが稀ではありません。また、ソフトウェアの適用限界や特徴などに十分な知見がなければそれを使いこなすことも困難でしょう。
本分科会では、こうした現状に鑑み、「シミュレーションの世界」と題して講演会を開催し、各界を代表する識者によるシミュレーションの紹介と解説を行うことといたしました。
JAXA・東京大学
吉田 憲司 氏
電力中央研究所
平口 博丸 氏
ノルウェー気象庁
Bjorn Nygaard 氏
1. 航空機開発におけるシミュレーション
講演者:吉田 憲司 氏 (JAXA・東京大学)
超音速旅客機の開発における実験の一部を数値計算で行ったというお話を伺いました。機材が高価で失敗による損壊が容認できないような実験のときに、数値シミュレーションが特に有効であるということをビデオを交えながら興味深く説明してくださいました。
2. 日本における海塩輸送シミュレーションの現状
講演者:平口 博丸 氏 (電力中央研究所)
海塩粒子の輸送過程をWRFを用いて計算するというお話を伺いました。今回の講演会、講習会の本題でもあるWRFについて体系立てて説明していただきましたから、翌日の講習会の基礎知識としてもとても有意義な内容でした。
3. ヨーロッパにおける気象シミュレーションの現状
WRFによる気象解析と着氷予想
講演者:Bjorn Nygaard 氏 (ノルウェー気象庁)
大気着氷現象の説明、濡れ雪による着氷、雲中着氷の紹介がありました。最後にCOST727における構造物体上の大気着氷の予測に関する研究報告と、WRFを用いた着氷シミュレーション結果の説明がなされました。