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支部賞

支部賞について

関東・中部・西日本支部表彰制度について

趣旨

日本雪氷学会関東・中部・西日本支部は,若手研究者の活発な研究発表と学会参加を促し,さらに雪氷研究の教育・普及活動を奨励することで,支部の活性化と社会貢献を目的に,2016 年度に「関東・中部・西日本支部賞」を設立しました.

 

2018年度日本雪氷学会関東・中部・西日本支部賞候補者の推薦について(依頼)

2019年1月25日

 

日本雪氷学会関東・中部・西日本支部 会員各位

 

日本雪氷学会関東・中部・西日本支部

表彰選考委員会 委員長 飯田俊彰

 

 

標記につきまして,下記のとおり2018年度日本雪氷学会関東・中部・西日本支部賞候補者を募集いたしますので,適当と思われる方をご推薦くださいますようお願い致します.

 

 

1.推薦を依頼する支部賞

(A)論文賞 

雪氷学における研究ならびに技術開発に寄与し,今後さらなる発展が見込める論文の主著者を顕彰する.2018年度および2017年度の「雪氷」,「Bulletin of Glaciological Research」,またはそれに準じる国際学術誌に論文を発表した,2019年3月31日時点で35才以下の者に対してこの賞を贈る.

(B)活動賞 

 雪氷研究の教育・普及に顕著な貢献をした者に対してこの賞を贈る.

 

2.候補者を推薦する支部会員は,下記の項目を記載した書類を委員会幹事へ提出する.なお推薦は自薦・他薦は問わないとする.

(1)論文賞,活動賞の区別.

(2)推薦者の氏名,所属,職名.

(3)受賞候補者の氏名(または団体名),所属,職名,学位.

(4)推薦理由書(○○○に関する研究,○○○の功績,などの標題を掲げ,500字ほどに纏めたもの).

(5)論文賞の候補者の推薦にあたっては,該当する論文,著書,またはその写しを添付する.

(6)活動賞の候補者の推薦にあたっては,著書,新聞記事の写しなど,その賞に値するもの,あるいは客観的評価を得たことを明白に示した文書等があればそれを添付する.

 

3.提出先

〒190-8518 東京都立川市緑町10-3

大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立極地研究所 国際北極環境研究センター 矢吹裕伯 気付

日本雪氷学会関東・中部・西日本支部表彰選考委員会幹事

E-mail:yabuki.hironori (at) nipr.ac.jp

 

4.締め切り 

2019年2月28日(木)(必着)

 

  

 


過去の支部賞受賞者

 

 

2017年度受賞者

論文賞

  • 荒木健太郎 (気象庁気象研究所 研究官)

論文名:荒木健太郎, 2018: 低気圧に伴う那須大雪時の表層雪崩発生に関わる降雪特性. 雪氷, 80, 131-147

 

活動賞

  • 杉村 剛 (国立極地研究所 特任研究員)

 件名:寒冷圏監視衛星データ利用の推進

 

選定理由

・荒木健太郎 (気象庁気象研究所 研究官)

論文名:荒木健太郎, 2018: 低気圧に伴う那須大雪時の表層雪崩発生に関わる降雪特性.雪氷, 80, 131-147

2017 年 3 月 27 日に南岸低気圧に伴う大雪により栃木県那須町の山岳域で表層雪崩による災害が発生した。一般に表層雪崩の発生要因としての短時間大雪の重要性が指摘されているが、南岸低気圧に伴う関東甲信地方の山岳域での短時間大雪については解析例が少なく理解が不足していた。そこで本論文では、本表層雪崩の事例について、短時間大雪の発生メカニズムについて事例解析を行うとともに、那須における短時間大雪の際の気象場や降雪の特性について統計解析を行った。

その結果、南岸低気圧に伴う雲からの雪が地形性上昇流で発生した下層雲に作用し(Seeder-Feeder メカニズム)、局地的に短時間大雪をもたらしていたことを高分解能数値シミュレーションにより明らかにした。また、那須で大雪となる気圧配置は西高東低の冬型が 63%、低気圧が 30%であり、いずれも日降雪時間が長いほど日降雪深が大きいことを示した。さらに、低気圧による降雪の場合には例外的に短時間で大雪になることがあり、これらの事例の多くは閉塞段階の低気圧が関東付近を通過していた際に起こっていたことを明らかにした。

本論文での事例解析では、気象庁アメダス、国土交通省水文水質データベース、気象庁の一般レーダーによる全国合成レーダー、地上気象観測、高層気象観測、地上天気図、メソ客観解析といったさまざまなデータの解析ならびに気象庁非静力学モデルを用いた数値実験が行われており、多角的な視点から短時間大雪の事例が客観的かつ詳細に分析されている。また、数値実験の結果より、地形の影響は山岳域での降雪種にも影響を及ぼし、弱層形成の要因となりうるという点まで踏み込んで考察が行われている。

これらの成果は観測例の少ない太平洋側の山岳域での短時間大雪のメカニズムを理解する上で非常に有用であり、雪崩防災へも大きく貢献するものである。さらに、本論文の主著者は雪氷学分野の若手研究者として積極的に学術雑誌への投稿を行っている。

以上の理由により、荒木健太郎氏を、論文賞の受賞候補者に選定した。

 

・杉村 剛 (国立極地研究所 特任研究員)

件名:寒冷圏監視衛星データ利用の推進

本会員は、寒冷圏の常時監視が可能な JAXA の地球観測衛星“しずく(GCOM-W)”のプロダクトをはじめとする過去のマイクロ波プロダクトを可視化公開する Web アプリ VISHOPや、これらの衛星を含むグリッドデータのオンライン可視化アプリケーション(VISION)の開発を行った。VISHOP はマイクロ波衛星によって得られる極域の海氷状況や環境をリアルタイムで公開しており、極域の現状を研究者だけでなく一般へも公開することにより、これらの衛星データの利用推進を図るものである。また VISION はオンラインで衛星データを可視化解析できることから、衛星利用の専門家以外の多くの研究者によって利用されている。

これらのアプリケーションを用いた極域の海氷状況に関した広報活動は、国立極地研究所だけではなく、JAXA の広報にも利用されている。これらのサイトへのアクセス数は年間120 万(2016 年度)をカウントし、その 80%が海外の利用者からのものである。これらのアプリケーションは日本のみならず世界へ向けて非常に活発に情報を提供しており、北極・南極における海氷状況等を把握するのに重要なツールとなっている。有用な情報を日本発でタイムリーに発信し、世界中から多くのアクセスを得ている点は高く評価される。

また、これらのアプリケーションの開発を通した寒冷圏監視衛星の利用の推進は表には出ない活動ではあるが、雪氷学における教育・普及活動として地道に継続されるべき重要な活動である。

以上の理由により、杉村剛氏を、活動賞の受賞候補者に選定した。

 

 

2016年度受賞者

論文賞

  • 島田利元 氏(宇宙航空研究開発機構)
  • ヌアスムグリ アリマス 氏(ゼノクロス航空宇宙システム)
 

活動賞

  • 荒木健太郎 氏 (気象研究所)
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