Japanese Society of Snow and Ice

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2002年度 春の講演会

— カテゴリ:

「流氷−海からの素晴らしい贈りもの−」・「シベリア サハ族に伝わる口琴について」

2002年度 春の講演会

 

日 時:

 2002年4月23日(火) 13:30〜15:00

会 場:

 北海道大学学術交流会館小講堂(札幌市北区北8条西5丁目)

参加費:

 無料

講 演:
「流氷−海からの素晴らしい贈りもの−」 前北大流氷研究施設長 青田 昌秋
「シベリア サハ族に伝わる口琴について」
北海道医療大学心理科学部教授、
前北大医学研究科教授
阿部 和厚

 


講演要旨:

 

「流氷−海からの素晴らしい贈りもの−」

青田昌秋(前北大流氷研究施設長)
地球表面の7割は海である。この海の1割が凍る。流氷は太陽熱の反射板、海の蓋、潜熱効果で地球の冷源域を作り出す。 地球を取巻く大気は、低緯度域と高緯度域の気温差によって循環し、熱帯の暑さ、極地の寒さを緩和する。流氷の生成は冷たく 塩分の濃い水塊の排出を伴う。この高塩分水(ブライン)は海中深く沈降して深層水となり、地球規模で循環する。これが深層流で ある。この流れは緩やかであるが大量の熱、塩を輸送して、気候に大きな影響を及ぼしている。流氷の生成される海域は海水の 鉛直混合が発達し、海底に蓄積されている栄養塩のリサイクルを促進する。豊な栄養と流氷を透過する適度の光で、流氷は海の 食物連鎖の基礎である植物プランクトンのよい住みかとなる。世界の好漁場の多くが氷海周辺にあるのはこのためである。 流氷は地球環境のみならず人類の食料資源にも関わっているのである。

 

 

シベリア サハ族に伝わる口琴について」

 阿部和厚(北海道医療大学心理科学部教授、前北大医学研究科教授)
サハ族は、以前はヤクートと呼ばれていましたが、現在は自称のサハを採用しています。サハ族は、ロシア連邦サハ共和国に 30万人ほど住んでいます。北にツンドラ、南にタイガが広がる厳しい自然に生きるサハの人々にとって、サバイバルセットと いうべき三種の神器は、ナイフ、火打ち金、そして鉄の口琴です。口琴は、世界に広く分布し、日本にはアイヌのムックリが ありますが、マイナーな楽器です。ただ例外的にサハでは国民楽器となっていて、サハのことばでいう「ホムス」は「楽器」という 意味です。ホムスはほとんどすべての家にあり、人々の精神世界を担っています。ここでは、ホムスについて様々な面から アプローチします。
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