雪氷研究大会(2008・東京)雪崩分科会セッションのご案内

 

雪崩分科会講演会

 

雪崩研究者と雪崩研究成果のユーザーとによる雪崩調査チームの誕生

 

雪崩研究には実際に起きた雪崩に関するデータの蓄積が必要不可欠であることはいうまでもありませんが,雪崩発生直後の現地調査には様々な困難が伴なうものです.昨年,雪氷学会北海道支部により「雪氷災害調査チーム」が発足されました.調査チームの目的や特長,実施された雪崩調査の成果や課題について登山家と研究者双方の立場で紹介していただきます.

 

日 時:2008924日(水)17:3019:00

場 所:東京大学 工学2号館212号講義室(B会場)

申込方法:

本講演会は雪氷研究大会(2008東京)の雪崩分科会セッションとして開催されますが,学会や分科会の会員,非会員(一般の方)を問わず,多くの方のご参加を歓迎いたします.参加には雪氷研究大会への参加登録と参加費が必要です.大会ホームページ http://www.seppyo.org/st08/index.html をご覧になり,お申し込み下さい.参加の事前登録は822日締め切りです.なお,当日会場においても申し込み(会場登録)できますが,参加費は事前振込より\1000増になります.

 

プログラム:

1.雪氷学会道支部に創設された雪氷災害調査チームについて

山田知充(NPO法人雪氷ネットワーク)

要旨:雪氷災害発生時に災害の実態や原因を調べ,その防止軽減に資する情報を発信することを目的に,道支部に「雪氷災害調査チーム」が創設された.雪崩災害については雪崩跡が急速に不鮮明化するため,直ちに出動できるよう予め調査チームが編成された.調査に際し,時に高度の雪山登山技術を要する場合が多い.調査チームに雪崩研究成果の受け手でもある冬山登山のプロの参加を得ることで,安全に充実した調査ができる体制が取られた.

 

2.科学と経験の融合

  阿部幹雄(雪崩事故防止研究会,国立極地研究所)

要旨:昨年3月,積丹岳で4名が死亡した雪崩事故.私は道警山岳救助隊とともに現場に入り,雪を調べた.その翌日には,雪氷学会の調査チームと現場に入った.この結果,雪崩の原因を推測できる貴重なデータが得られた.私は,事故直後の科学的調査の重要性を改めて痛感した.調査は,みんなが雪山から生きて還るための情報発信に繋がる.研究者が果たすべき社会貢献ではないのか.研究者レベルの知識を持った登山ガイドやスキーヤーを育てる.この調査チームが果たす,もう一つの目的だと考えている.

 

3.雪氷災害調査チームによる上ホロカメットク山雪崩(200711月)調査報告 ―研究者の立場から―

八久保晶弘(北見工業大学)

要旨:200711月,北海道十勝岳連峰上ホロカメットク山にて登山者を巻き込んだ面発生乾雪表層雪崩が2度発生した.発足直後の雪氷災害調査チームは現地調査を行い,積雪内のしもざらめ雪・こしもざらめ雪からなる弱層を確認した.本講演では,破断面調査結果から推測される弱層形成過程について述べるとともに,調査チームの研究部門が抱える諸問題についても言及する.