「火星に降る雪」 平成16年度公開シンポジウム(社)日本雪氷学会 
現在,火星の北極の氷を掘る計画が,アメリカのNASAによって進められています.北極の氷には,もしかしたら生物が含まれているかもしれませんし,昔の火星の環境を知るうえでも貴重な情報が含まれているかもしれません.

この氷を掘るために,特別なロボットを開発しています.このロボットを”クリオボット”と呼びます.このロボットをつくるための技術は,地球上の南極や北極などの氷を掘ってきた氷ドリルの技術がもとになっています.

「火星に降る雪」では,このクリオボットの計画についてくわしく紹介します.さらに,日本で開発された氷を掘る機械の実物を展示し,実際に氷を掘るところを実演します.この機械は,昔の地球環境を復元する研究のために,実際に氷河の数百メートルの深さまで掘ったものです.いったいどんな仕組みで氷を掘るのか,ぜひ目で確かめてください.

クリオボットの想像図.火星の北極に着陸して,氷の中を特殊なロボットで探査します.

2007年に火星にむけて打ち上げ予定です.
2030年には,木星の衛星エウロパに向けて打ち上げが予定されています.

Imgae credit: NASA JPL / Corby Waste
火星の北極の氷(極冠).ここにロボットをおくりこんで,氷の中まで掘る計画がすすめられています.氷の中には,なにが保存されているのでしょうか?
Imege credit: NASA
氷を掘るところをこのように実演します. ドリルが氷を堀り上げたところ.
実際の氷河の上で,氷を掘っているところ. 掘り出された氷は,昔の環境を復元する研究につかいます.