凍 上


<霜柱によって持ち上げられた土砂>
 霜柱は地表面に垂直に成長し、地表付近の土や石を持ち上げる。霜柱によって持ち上げられた土砂は、傾斜地では元の位置には戻らず斜面下方へと移動する。霜柱は斜面物質移動を引き起こす。(大雪山)
(写真提供:曽根敏雄会員)


<凍着凍上により浮き上がった消火栓>
 地中のパイプが凍着凍上により地面の凍上と共に持ち上がる。地表から融解が始まり地面が沈下しても、地中の凍結部にパイプがある間は、凍着力によりパイプは沈下しないために地面から浮き上がる。(札幌市)
(写真提供:曽根敏雄会員)


<シモバシラの茎から成長する霜柱>

 シモバシラ(Keiskea japonica Miq.)は関東以西の本州、四国、九州の山地の木陰に生えるシソ科の多年草である。冬のはじめ、地温はプラスだが地表面付近の気温がマイナスであるような条件で、根が吸い上げた水分が地上部で凍結し、茎に写真のような霜柱を形成する。(高尾山、東京都)
(写真提供:森 淳子会員)


<構造土>
 凍結融解現象により、ふるい分けられた粗い石と土とが、地表にパターンを作ったのが淘汰構造土である。良く知られている亀甲状のパターンは多角形土と呼ばれる。傾斜地では斜面方向に伸びた条線土となる。日本では一般に高山で観察できる。(大雪山)
(写真提供:曽根敏雄会員)


<パルサ>
 泥炭質の永久凍土丘であるパルサは、永久凍土の存在を示す指標地形である。局所的な永久凍土の発達に伴ってパルサは成長する。手前は永久凍土の衰退後に生じたサーモカルストによる池である。日本では大雪山でのみ存在が知られている。(大雪山)
(写真提供:曽根敏雄会員)


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(社) 日本雪氷学会北海道支部事務局
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